はじめに研削ベルトの性質、及び、研削ベルトでどのような仕事ができるかを紹介させていただきます。研磨布紙、または研削ベルトに関する認識は、金属加工に関係されている方々の間では、まだまだ一般的には「サンドペーパーに毛の生えたようなもの」という認識の方が多いのではないでしょうか?
しかし、最近日本でも研削ベルトに対する認識が高まってきた様に感じられます。研究熱心な方ならば各地で開催される機械展をご覧になって、研削ベルトを使用した機械の前で足を止められたことが2度や3度おありになると思います。先に「日本でも」と申し上げましたのは、欧米では研削ベルトを使用した工作機械を工程に組み入れて考えることが既に常識化しているからです。既にアメリカでは1964年から、西ドイツでは1962年から、それぞれ研削ベルトの生産額が研磨砥石の生産額を上回る様になりました。また、American Machinist Inventory of Metal working Equipmentの数字に基づく統計によると、アメリカでは砥石を使用したグラインダーの伸び率は208%を示しております。
日本の工作機械は数値制御の応用など世界最高水準を行く分野もありますが、こと研削ベルトに関しては発展途上の国といえるのではないでしょうか。
この発展途上の状態を解決する為にも、
1.現在の研削ベルトがいかに優れた性質を持っているか
2.研削ベルトを使用した機械でどのような仕事ができるのか
について、皆様の認識を新たにしていただくことが,何より必要なことかと思われます。
それ故、以下にセンターレスベルト研削盤(センタレスベルト研削盤)について大要を紹介させていただきます。
研削ベルトについて
研削ベルトの起源についてはCoated Abrasive Modern Tool Industryに紹介されているところによると中国では13世紀頃すでに天然ゴムを羊皮紙に塗り、それに貝殻の粉末をつけたものを使用した記録があるとのことですが、そのような古いことはさておき、近代になってからではおおよそ19世紀前半には、イギリス・フランス・アメリカなどで、或いはエメリーペーパー又はサンドペーパーの名称によって実用に供せられるようになり、一部では機械に装置され始めて家具パネルの塗装前の工程、合板の広範な表面積の表面研磨に使用される程度でした。
それが第二次世界大戦を契機として金属加工に使用されるようになり、俄然その生産が伸び始めました。これは化学分野の進歩により砥粒、基材及び接着剤(下図を参照)が改良され、また砥粒の電気植付等の技術開発がなされたことによって、工作機械用工具としての優秀性が飛躍的に進歩したことによるものです。
では、現在の研削ベルトがどのように優れた性質を持っているかについて若干述べてみましょう。